「疲れたら休む」
当然のように思うが、当然ではない。
本人が疲れていないと思っているから、事は思う以上に厄介だ。
あるいは、疲れていても「疲れた」と言えない環境にあると、疲れていないと思い込もうとする。
行きつく先は、想像できるだろう。
目に見える問題なら、問題がなくなれば「もう大丈夫だ」とわかる。
しかし、心に関する話は違う。
大丈夫かどうかは本人にしか分からない。
本人は大丈夫だと思っていても、いざ普段通りに生活し始めると思う以上に負担に感じることがある。
つまり、まだ「治っていない」のだ。
本人が思う以上に時間が必要だから。
物であれば、直して修復できたと分かれば再び使えるようになる。
扱いは気を付けなければならないが、修復できたなら無茶な使い方をしない限り壊れない。
だが、人の心は違う。
一度ひびが入ってしまうと、修復するのには時間がかかる。
専門家に見てもらい、状態を確認してもらう必要がある。
「自分のことは自分が一番良く分かっている」
映画やドラマで聞かれる台詞。
基本的には正しい。
本人のことは本人にしか分からず、本人が隠していることは周囲に話さない限り知られることはない。
しかし、こと心の話は
「自分のことは自分が一番分かっていない」
となってしまう可能性がある。
普段の生活に支障がないレベルなら、短期間で回復する可能性が高い。
一方で、普段の生活に影響が出るほど精神的に参っていると、回復までに年単位で時間が必要になる。
そのところを分かっていない人が多いのだ。
「自分は大丈夫」
そう思っているのが落とし穴になる。
現代はとてもストレスの多い時代だ。
会社員として働いていれば、上がらない給料、複雑になる人間関係、会社の方針への疑問などいろんな場面で納得いかないことが出てくる。
家庭にいても、家族それぞれの思惑、学校の様子など自分以外のことで思い悩むことも増える。
重要なのは、自分も心をやられてしまう可能性があると認識し、用心しておくことだ。
何も準備していないと、いざ自分がやられそうになったとき気づけない。
自分を守るのは自分しかいない。
